金融コラムス・バックナンバー

2007.5.21

「 バランスシートはバランスしているか 」

 大原簿記学校の青木靖明氏はその著書「会計原則は処世訓」で「地球上で営まれているすべての根源は宇宙の聖なるバランスであり、このバランスが崩れるところでは、必ずその生態系は滅んでしまう。簿記学とはそのバランスの大切さを教えるのに最も適した学問である」と記している。

 バランスシートと言うからには、貸方、借方の左右が合致していないものは誤謬だが、簿記の本来の目的はこの違いを訂正することではない。青木氏の言っている聖なるバランスとは、表面的にバランスしていると見えるものの中に潜むアンバランスをも見分ける管理数学であると言っているのだ。極端な例示をしてみよう

貸方借方
現金20
  
流動資産40
流動負債100
固定資産200
固定負債50
資本勘定100
合計250
合計250

 表記のバランスシートは左・右が合っているということではバランスしているが、中身は極めてアンバランスだ。本来、長期に償却を要する固定資産200は資本勘定で賄われているべきだが、例示ではその調達不足100を固定負債50でも賄いきれず、更に50の調達不足を生じている。そこで、このアンバランスを埋め合わせるために、流動負債と流動資産の調達余剰70のうち、固定調達余剰50を埋め合わせ、その結果として、現金20が存在している形となっている。

 このようなバランスは聖なるバランスにはほど遠いものだ。こんな体質の企業は、たちまち資金不足を生じ滅びてしまうだろう。このコラムの続きは次回以降に。