金融ブックス [金融コラムス・バックナンバー]

金融コラムス・バックナンバー

2008.01.22

「 サブプライムローンの化け物 」

 再生紙偽装。お前もか。今から20年も前だが、「この名刺は古紙を使っています」と印字された名刺が総務部から渡されたことを覚えている。当時筆者は環境についてはさほど関心はなかったので、お客様に出す名刺にわざわざ「古紙を使っています」とは何事かと、係に喰ってかかったことを思い出した。今にして思えば、フルガミを使ったにしては、通常の紙と少しも違わないし、なんとなく抵抗感があった。

 それもそのはず、古紙を使っていると言えるのは、古紙40%の場合とか。それなのに長年にわたり、大手製紙会社は、古紙を1%しか使っていなかったと。さすがに、それでは正常紙と見分けつかないのも無理はない。ミンチ偽装も、比内鶏偽装も一脈通ずるものがあるが、紙は口に入るものでないだけ、少しは大目に見てもいいが、これが社会的偽善に利用されたのが許せない。20年前の筆者の直感もまんざらでもなかったか。

 世界の市場を揺るがしている「サブプライムローン」問題、これこそ、大偽装事件だ。サブプライムローンとは、米国の低所得者向け住宅融資のこと。そのことだけならば貸した主体と、借りた主体だけの話だが、サブプライムローンが問題なのは、これが証券に化体して、実体とは似ても似つかぬ、金融商品になって世界中をかけ廻ったことだ。気がついた時には、実体は底なしの沼。

 豚肉も、鶏肉も古紙も、金も、まぜてしまえばわからなくなる。恐ろしいことだ。