|
2007.8.21 「 損益分岐点分析は公的企業体にも役に立つ 」
企業の収益性の分析でよく用いられるのが、損益分岐点分析。一般的には損益分岐点とは、売上と費用が等しくなり損益がゼロとなる売上高を意味する。このことから、損益分岐点売上高を導いてみたい。
[1]からA-B=C
これをAでくくると、A(1-B/A)=C
つまり、A=C/(1-B/A)
B/Aとは変動比率のこと、そして1-変動比率(B/A)とは限界利益率である。
(当社より刊行「財務分析に強くなる本」2章17「損益分岐点」参考)
損益分岐点比率とは、現実の売上高に対する損益分岐点の売上高の比率。80%以下が望ましいとされている。経営としては損益分岐点の位置を引き下げるよう努力すべきである。
この分析手法は精緻な分析をすれば切りも限りもないが、考え方としては現実に役に立つ。固定費が増加する場合、あるいは変動比率が上下する場合、売り上げが低下した場合に目標利益の確保に必要な売上高を算出するなど応用範囲は広い。
最近地方の自治体の病院経営が悪化し、医師不足などがからみ瀕死の状況にある。既述の費用は固定費と変動費に分類されるが、減価償却費は固定費に属している。経営が悪化している自治体病院の場合、この減価償却費を含む損失分を全額、自治体(税金)に依存している。公的機関と言えども、減価償却費相当額の赤字は自己努力で(銀行借入等)で賄うべきであり、税金依存分は、少なくとも減価償却以外の赤字負担にとどめるべきものである。これとても縮小に向け努力すべきは言うまでもない。損益分岐点分析が、企業分析のみならず、昨今の独立行政法人(含国立大学法人)の企業分析にも有力な手段であることを申し述べておきたい。
|