金融ブックス [金融コラムス・バックナンバー]

金融コラムス・バックナンバー

2007.8.7

「 参院選自民の敗北は地方一揆か 」

 日本の総人口は二年連続で減少。地方の人口は減少し続けているのに、調査では人口の半分以上が三大都市圏に移っていることがわかった。今回の参院選は野党民主党と与党自民党が逆転、参院の勢力地図は、野党連合が、過半数をとるという与党の歴史的惨敗で幕をとじた。人口の移転でも明らかなように、地方の過疎化が進み格差が拡大、経済成長路線のひずみが、与党への不信となって一挙に吹き出す結果となった。地方の一人区二九県で、野党の二十三勝自民の六勝はこのことを雄弁に語っている。

 地方一人区は日本古来の農業県である。これまで政府は農業政策でろくな政策を打ってこなかっただけでなく、減反政策だの市町村合併だのを無理矢理進めたため、地方はすっかり疲弊してしまった。そこへ「美しい国」などというものだから「頭に来た」というのが正直なところだろう。

 百姓一揆の最も常識的な理由は「年貢の重圧」が、一般的な理解だが、年貢が一気に二倍になったのに一揆は起きなかったという実例もある。百姓たちが家計を自立させ、検地帳に名簿人として登録され、いわば一人前の生産者・税負担者・消費者としての約束があり、その立場の中で起きたとする説もある。

 百姓たちは年貢がある一定の許容量を超えると一揆が起こしたのではなく、約束に基づいた理にかなったものであれば一揆を起こしていないという。今回の選挙結果はある種の地方一揆ともみられるが、与党は何が理にかなっていなかったのか胸に手を当てて反省すべきだろう。