金融ブックス [金融コラムス・バックナンバー]

金融コラムス・バックナンバー

2007.5.16

「 日本人よ!参政権を放棄するな 」

 憲法改正が政治の表舞台に出て来た。これまで改憲・護憲・加憲などの議論はあったが、国民的に議論し尽したと言い切れるだろうか。それにしても気になるのが、国民投票法案で、投票率の問題が素通りしてしまったことだ。

 思い出すのは、平成17年1月にイラクで民主主義を確立する出発点となる暫定国民選挙が行われたが、推定投票率は60%と高かった。その後のイラクは自爆テロが後を絶たず、混沌たる有様だが、当時はもっと劣悪な状況下にあった。にも拘らず、国民のとった行動は敬服に値する。

 戦後日本の第22回総選挙(昭和21年4月10日)が72.8%。第39回(平成2年2月18日)までは高く70%台、第41回(平成8年10月20日)は、史上最低の59.65%と低くなっている。日本の民主主義は戦後に与えられたものとは言え、大戦によって失われた尊い命の犠牲の上にもたらされたものであることを決して忘れてはならないだろう。

 遠くで爆発音がする投票日の朝、「あの犯罪者どもに挑んでくる」といって投票所に向った人がいたという。「友人はフセイン政権下で政治犯として処刑された。投票する時は、涙が止まらなかった」とも。参政権は正に基本的人権である。

 このところ日本人の国政選挙への無関心振りが目につくが、参政権を無為に放棄することは、自らの人権と責任をも放棄しているに等しい。国民投票法案で、国民のモラルが低下している今日、ガードをかけなくてもいいのだろうか。残念なことだが。