金融ブックス [金融コラムス・バックナンバー]

金融コラムス・バックナンバー

2007.5.2

「 地球の悲鳴が聴こえて来る。 」

 植物から採取するバイオエタノールを3%混入したガソリンが首都圏50ヶ所のスタンドで試験販売される。バイオエタノールはサトウキビやトウモロコシを原料とするが、燃焼後の二酸化炭素は、もともと大気中にあったものだから、その総量は増えないという理屈だ。日本にはこの種の穀物は少ないので輸入に頼らざるを得ない。どう考えても採算に合うとは思えないし、燃料資源として、供給安定性があるとは言い難い。

 このプロジェクトを本気で進めると、この地球上に植物が存在する意義がなくなってしまう。宇宙の摂理にも反するというものだ。トウモロコシならぬ稲わらなどのセルロースも対象となるのだろうが、稲わらは、馬や牛の食糧として欠かせないものだ。

 先頃、大学のゼミナールのOB会に出て、国際エネルギー情勢と題する講演を聴いた。講師は三菱総研の藤井秀明氏。石油生産のピークは予測出来ないと言う。技術水準が上がり、国際的なファンドマネーが石油開発投資に向えば石油生産のピークは天井知らずということになる。ここまで来ると、「もともと地球上にあったもの」とか、「埋蔵量がいくらである」といった議論はナンセンスというものだ。

 諸悪の根源は地球上の資源の使い方があまりにもアンバランスであることだ。生活様式にバランスを取り戻し、流れを変える努力に期待する外ないだろう。

 カナダも京都議定書の目標の旗をさっさと下ろしてしまった。CO2削減に参加する国があったりなかったり。地球の悲鳴が聴こえる。